小沢健二 東京の街が奏でる 第二夜@東京オペラシティ
セットリスト拾ってきたけど、なんかもうあんまり覚えてないなぁ。
がっつり3時間半あるので、行かれる方は時間にお気をつけくださいね。とにかく上質で芳醇で豊潤な贅沢な時間という感じだった。場所柄というのもあると思うけど、前回の熱に浮かされた感じとはちょっと違って、落ち着いた、いや落ち着いてはいないか、そこに情熱と興奮はあるけど、「すごいね」「ほんとよかったね」という感想しかなかった。変わってるけど変わってない、全然変わってないのに新しい、という不思議な感覚。
なんかはじまるまえから緊張しておなかが痛くなってくる。ずっと鳴っていたメトロノーム(だとは後で気づいた)が自然に止まって*1、会場もしんと静かになった。期待にふくらむあの一体感がちょっとこわい。
セトリ。全体的な感想は最後。
- いちょう並木のセレナーデ(reprise)
前説に東京スカパラダイスオーケストラのSax奏者GAMOさん。音楽にかかわる人は「時」を大切にしている。音楽がなくても生きていける、という話。オルゴールはLIFEで使った実物。あえて音がぶれて作られてるよねあれ。格調高いホールなので緊張しないように(といいつつ自分が一番緊張してる!てGAMOさんが言ってた笑)とのはからいで、「ここは立つ」「ここは座る」「女の子が歌うところ」「男の子が歌うところ」の鹿の影絵のサイン。粋だな〜。前説担当は日替わりとのこと。
- 東京の街が奏でる(新曲)
今、東京の歌をつくるんだな〜と感慨深い。コーラスの真城めぐみさん(この人がいないと!)、ベースの中村キタローさん、そして弦楽4重奏が登場。
- さよならなんて云えないよ
意外と「オッケーよ!」(まるをつくる)してる人いなかった。まだ最初だからかな〜。
- ドアをノックするのは誰だ?
弦アレンジなのでさわりは落ち着いた感じだけど、中盤からオリジナルもストリングスが混ざってくるので、それもまた良し。
- いちょう並木のセレナーデ
- 今夜はブギーバック/あの大きな心
ラップ部分も小沢くんが担当!
- MC:今はTwitterやニュースの見出しなど「短文」の時代だけど、新しい考えを説明するのにはむずかしい。コンセンサス(全員一致)をとることの話とか。
- あらし
- いちごが染まる
- それはちょっと
「それはちょっと〜」て100万回言いたいね。
- MC:believeの話。believerを訳すと「信者」になり、日本ではネガティヴな意味にとらえられる。「信者キモチワルイ」みたいな(小沢くんが言うと「キモチワルイ」がカタカナに聴こえた!)。でも恋愛も「信じること」に近いし、「恋愛してる人キモチワルイ」って言わないんじゃない?「僕は信じるものの味方です」とか。believe、ていうたびに手裏剣の影絵が飛んでくる。
- 天使たちのシーン
- おやすみなさい、仔猫ちゃん!
「Where do we go? Where do we go, hey now?」の歌詞が「どこ行こうどこ行こう今」に代わってた。歌詞を日本語に代えることは前回からあったけど、その意図って、単にみんなで歌うところを指示するのに日本語の単語のほうが伝わりやすいからかな?ていう単純なものなのかな、と思った。考えすぎ?
- back to back
「・・・あのさ」 これ新しい。
- MC:子どものころ飼っていたオウムの話。ここで小沢くんがオウムのまね!!「じゅんちゃん*2、けんちゃん、宿題やった?」(かなり心の準備がいるらしくまねするのに間があったw) この「宿題やった?」はたぶんお母さんのいたずらだったんだろうけど(いやお母さん真剣だったかも)、気づくのに10年くらいかかったとか。
- 東京恋愛専科
- ぼくらが旅に出る理由
- 強い気持ち・強い愛
この2曲、くるー!というか、もうなんかばーっと光が溢れてくるというかとんでもない多幸感。
- 春にして君を想う
- MC:インド映画の「輪廻オチ」が好きな話とか。インド映画の「えー?そっち??」みたいな無茶苦茶さが好きだから、ハリウッド向けにそういうインドっぽさが削られるといやなんだって。わたしは見たことないけど、インド映画の荒唐無稽さは知ってたので面白かった。「輪廻オチ」はいわゆるヒーローヒロイン生まれ変わって全然違う人間で再会するっていうオチ。キタローさんと真城さんが「はっ!」て気づく男女をやってて面白かった。あと、テンポ=130のちょっと速めのテンポから来る「130グルーヴ」の話とか。
- 暗闇から手を伸ばせ
そんで愛し愛されて生きるのさが来るのかと思ったらこっちだった!これ、改めて聴くとすごい春っぽい曲だなー。ちょっと陰気なんだけど、これから芽吹くぞー!ていうエネルギーを感じる。
- 愛し愛されて生きるのさ
確かこのあたりで、小沢くんの昔の映像が流れたんだよね。「大きな川を渡る 橋が見える場所を歩く」の川沿いの映像や、ハンバーガー?をテーブルにいっぱい並べて食べる映像とか(めちゃくちゃポップw)、ぐるぐる回ってる映像とか。
- ラブリー
うしろの影絵が東京のビルと富士山を背景に、鹿や鳥が横からぴょこぴょこのんびり歩いてきてすごいかわいかった!
- ある光
もちろん小沢くんのセリフ部分もあるよ!
- 神秘的【新曲】
- MC:神秘的という曲で最後で、もう東京オペラシティを追い出される時間ギリギリだけど、メンバー紹介など。
- ドアをノックするのは誰だ?
GAMOさんも含めてほぼ即興で。
- 東京の街が奏でる【新曲】
小沢くんがギターかき鳴らしながらひとりで。
前回が管楽器中心のアレンジだったのに変わって、今回は弦楽四重奏を入れて弦楽器中心のアレンジに(そしてアレンジを服部隆之さんが!)(てかなんで両方じゃないの!いつ管楽器が出てくるんだろうって思ってた)。第1ヴァイオリンに奥村愛さん、第2ヴァイオリンの方の名前が思い出せない!(東京交響楽団の団員さんで、琴奏者の妹さんとも活動されてるとか)、ヴィオラが南かおりさん、チェロが遠藤真理さん。なんでこんな有名な人引っ張れるの?てくらい著名な方みたいで、ソリストとしても十分なのにバックメンバーとしてもきてくれるんだ、ていう(いやプロだからバックバンドとしても来てくれるもんなの?)。とにかく奥村愛さんのヴァイオリンはすごく高音が繊細な音で、目立つところはしっかり音が飛んでくるし、しっかり引き立てる音にもなっていてプロまじすげえって思った。小沢くんは終始座ってギターひきっぱなし。メトロノームをずっと鳴らしていたからか、声も演奏もうわずった感じがあんまりなくて(歌詞はたまに噛んでたけど、だがそれがいい)、本当に上品な演奏だったなーと。やっぱ小沢くんって生粋のセレブというかものすごい育ちが良くて賢くて、世界で見聞を広めながらちゃんと自分の考えを持って日本に帰ってきてくれてるんだなーと感じた。育ちのよさがいい感じで醸し出されてる。
ほんとにいいホールだから、拍手の音の響きが全然違う!!きっと録音もいいものになるに違いないので、またリリースしてほしいなあ!