硫黄島からの手紙

にのみやさんに助演男優賞やってくれよ!!!もう!俺がやるよ!持ってけ!!
・・・ヲタのひいきめで申し訳ないけど、ほんと二宮さんがんばってた。あんな過酷で凄惨な現場と向き合って、何かを伝えてくれようとしてる姿はとても凛々しく、そして得てきた物がほんと大きかったんだなあと思いました。二宮さんの役者としてのいいところは、何にでもなれるピュアな存在なところ、じゃないでしょうか。なんつうか、演技という感じじゃなくて、ほんとに二宮さんはあゆふうに生きたんじゃないかなあ、と思えてしまって、しかしそれを「演じてる」んだからすごい、のかも。
わりと重ための感想を目にしていたし、えぐいシーンがあると聞いていたのでそれなりに覚悟決めて見に行ったんだけど、意外と淡々と見れました(てめえのえぐさラインってどのへんなんだか)。わたし二宮さんの演技って全然泣けないんだよね。素の二宮さん(わたしが知ってる素の二宮さんもたぶん二宮さんがうまく演じてる姿だと思いますが)を重ねてしまって感情移入できないのかな、なんかにくたらしくて斜に構えてしまうのかもしれない(笑)、演技してるの見るの久しぶりなので(たぶん優しい時間以来。少恩は録画を紛失)冒頭からちょwwて思っちゃったし。
強く思ったのは、やっぱ精神論だけじゃどうもならんってこと。これ現代にも身近にも言えることだと思うけど。別に精神論振りかざすやつはしねばいいとか思うわけではないけど、そういうあたまのわるいひとりよがりの考えで、誰かを犠牲にしてはいけない。常に自分の正義を考え、振りかざすことなく貫かないといけないんだな。そして、どんなにしんどくてもかっこわるくても、死に様よりは生き様のほうがずっとずっと尊い
冒頭はアメリカ人から見た日本の戦争ってどんなんなんだろ、脚本とか大丈夫なのかな、と不安もあったんですが、まったくの杞憂でした。つうかあれを一発撮りで、ニュアンスで撮るって言うんだからよっぽど勘がすごいんだなクリントは。見終わってみるとやっぱりこういうのは第三者視点というか、アメリカ人にしか撮れないのかも、という気がしてる。日本人が撮ったならどうしても武士の生き様的に多少美化してしまうと思うんだよね。あくまで淡々と、フィクションとはいえ淡々と事実としてとらえて撮ったのがよかったと思う。

ネタバレあり頭わるい感想

  • にのみや「墓穴掘ってんのかなあ」とぼんやり言ってみたりして(この台詞秀逸だと思う。日本人の手が入ってるよね)、そのあと軍人ぽく「ハッ!」て敬礼するとことか、何度も何度もハッとさせられました。にのみやバンザイ。
  • にのみやの役どころにはまったく違和感を感じなかった。年齢とかも全然気にならなかったなあ。にのみやさん、あんたすげーよ!! 和装モエス
  • とにかくドンパチがすごくてな・・・かなりリアリティを追求してるというか、もうなんか自分も撃たれてる気がするくらい。こわかった。
  • そして出ている日本兵がみんないかついのね。クリントの日本兵のイメージってあんなんなのかな。
  • 加瀬くんはなんであんなオドオドした役がうまいんでしょうか
  • 伊原さんが最高にかっこいい件。でもいちばん賢いのはあの馬だよなー、ジュピター名演。
  • 獅童はなんかもう滑稽ww(いろんな面で)
  • 榴弾で玉砕、あんな極限の状態で対峙するにのみやと加瀬くん、あんなシーンを共にしたらそりゃ仲良くもなるよな・・・
  • 加瀬くんの回想、案の定犬が鳴いてしまうあたり、あまりにベタすぎで笑ってしまった。かなしいな、ほんとに。
  • も、ラストのシーンが壮絶で。ケンワタナベがやられてしまい、2度あることは3度あると言って残されたにのみやが上官を見つけて・・・と、何もいえないよ。にのみやさん、あんたすげーよ!!(2回目)
  • そして生き延びた西郷。帰れたとしても、たぶん、すごくつらいと思うな・・・

とにかく精神論振りかざす上官ってほんといやだ、劇中でもあったけどやってらんねーよ!て、今にも通じるんだよ。見ながら何度も(不謹慎だけど)バッカじゃねえの!と思ってた。そういうのに逆らえない時代背景と戦争が重なって、ほんとに愚かだと思った。やっちゃいけないことだし、犠牲になった尊い命を忘れずに、これから生きていく義務があると思う。そして、信頼できるリーダーに出会えていっしょに何かできることがどれだけ素晴らしいことか、そういう人間を目指していければな、と思った。